児童虐待の定義
連日の取り上げられる虐待ニュース。平成9年には年間5,352件であった虐待相談件数は、平成29年には133,778件と、わずか20年の間に件数は約25倍に激増。虐待の数は年々増加の一途をたどり収まる気配はありません。
そんな児童虐待ですが、法律による虐待の定義は以下の4つであり、内訳には大きな特徴が見られます。厚生労働省による、詳しい統計が知りたい場合はコチラ。
※()内は平成29年度虐待相談総数に占める種別毎の割合。
身体的虐待(24.8%)
殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束するなど。
性的虐待(1.2%)
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にするなど。
ネグレクト(20.0%)
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど。
心理的虐待(54.0%)
言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV)など。
虐待の傾向
近年の虐待件数増加の中でも特に目立つのが、心理的虐待の増加です。平成20年には9,092件だったものが、平成29年には72,197件と、60,000件以上も増加しています。現在、児童相談所に寄せられた虐待のうち、相談経路の約50%を警察が占めており、夫婦間による暴力を子共が目撃した場合も心理的虐待としてカウントされるため、近年は心理的虐待が多数の割合を占めるようになっています。
一方で性的虐待については、ここ10年の間、1,300〜1,500件程度で推移しています。これは性的虐待が少ないということではありません。性暴力や性的虐待は他の虐待に比べてわかりにくく(傷や痣などの外傷ではわからない等)、現在の件数は氷山の一角と言われています。